『嘘』

『嘘』と聞くと、どんな気持ちになりますか？
あなたにとって『嘘』は、どんなイメージですか？

一言に『嘘』と言っても、いろいろなものがあります。
相手のことを思ってつく優しいウソ。
人を欺くための悪意のあるウソ。
サプライズやユーモアのある楽しいウソ。
その場から逃れようとつい言ってしまうウソ。
本人も気づいていない無意識のウソetc…

「ウソつき」と言われるのはとても嫌な感じがしますが、人は一日に何度かウソをつくと言われています。
ある研究者によると、２００回くらいとも。
また、「私はこれまでに一度もウソをついたことがない」という言葉が最大のウソだとも言われます。
そもそも、ウソの多くは無意識についていて、自分では気づいていない場合や、意図的についたウソであっても記憶から消えてしまっているようです。

私は小さい頃から親に「ウソはつくな」と躾けられ、学校でも「ウソはいけない」と教育を受けてきました。だから、良いことではないんだという認識があります。そして今でも、人間関係の中や自分自身にも、正直でありたいと思いながら日々生活をしています。
それでも、不安になった時、自分で上手くいっているとウソの暗示をかける時もあるし、何もやりたくない時は頭が痛い気がするのを大げさに感じる時もあります。満員電車で足を踏まれた時、飛び上がるほど痛くても申し訳なさそうに「大丈夫でしたか？」と聞かれると、「大丈夫です」と答えたり、子どもの話を他事を考えながら上の空で聞いていても、「聞いてる？」と言われると「うんうん、聞いてる」と。
これらもウソなのでしょうが、私たちがウソと認識しているほとんどのものは違和感や罪悪感を感じるものであり、ウソをつく方も苦しいが、つかれる方は混乱が生まれ、もっと苦しくなります。
だからよく人には、「正直に言ってね」と言います。「私は大丈夫だから」とまた自分にウソをつきながら…。
ウソつきにならないように人に嘘をつかなくても、自分にウソをついていることは案外多いようです。

日本には昔からウソに関わることわざが多くあります。
それぞれ、嘘にもいろいろな解釈があるものです。

* 嘘つきは泥棒の始まり
* 嘘も方便
* 嘘から出たまこと
* 実は嘘の奥にあり
* 嘘も追従も世渡り
* 嘘も誠も話の手管
* 嘘をつかねば仏になれぬ
* 大嘘は吐くとも小嘘は吐くな
* 嘘と坊主の頭はゆったことがない