2014年7月10日木曜日

ありのままのあなたで⑩

そのとき、ドンっと音がして、
サリーは転んでしまいました。
誰かにぶつかったようです。
「どうしたの?大丈夫?」
顔をあげると、
そこには隣のクラスのピョンが立っていました。
黒ウサギの、あの子です。
そのとき、こころの中でプチンと何かがはじける音がして、
サリーは大きな声で泣き出してしまいました。
もう我慢ができなくて、
ピョンに抱きついて、
わんわん、わんわんと泣き続けました。
ピョンは何も聞かずに、サリーを抱きしめてくれました。
まるでママみたいに。
 その日、教室に戻ったサリーは、
クラスメイトの視線やひそひそ声を聞きながら、
とても辛い一日をすごしました。
誰も、サリーに話しかけてはくれません。
それでもサリーは一日頑張って授業を受けました。
なぜなら、今日はピョンと一緒に帰る約束をしていたからです。
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