2014年7月10日木曜日

ありのままのあなたで⑨

それからしばらくたった朝のことです。
またもサリーは大慌てです。
白い絵の具が、ほとんど残っていないのです。
一生懸命広げて塗ってみても、
黒い毛は灰色にはなるものの、
白くはなりません。
たくさんおしろいをはたいても、
白くなりません。
(学校に早く行って、またチョークを塗ろう)
仕方なく、サリーはそのまま学校へ行くことにしました。
そしてクラスで一番に学校に着いたサリーが
チョークを手にして首にあてたその時、
後ろから声がしました。
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「おはよう、サリー。なにしてるの?」
振り返ると、スノーが不思議そうにサリーと、
サリーの手の中のチョークを見つめていました。
そして、サリーの首をみて、
スノーは大きな声で笑い出したのです。
「サリー、何それ!おかしいわ。
サリーの首って黒いのね。
そうやって、チョークを塗って、
私たちをだましてたんだわ。」
そう言って、スノーはげらげらと笑い転げます。
そうしているうちに、
他のクラスメイトたちも登校してくる時間になってしまいました。
スノーが大きな声で、
みんなに話すので、
サリーはみんなの笑い物になってしまいました。
恥ずかしくて、
悲しくて、
サリーは教室を飛び出しました。
後ろからみんなの声が追ってくるようなきがして、
耳をたたんで、
目をつぶって廊下を走りました。
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