2014年7月10日木曜日

ありのままのあなたで④

入学式の前の晩、サリーはいいことを思いつきました。
(白くならないのなら、この黒い毛を隠せばいいんだ!)
サリーはパパのアトリエから
白い絵の具を持ってきて、
鏡の前で、そっと自分の首に塗ってみました。
サリーの黒い首が、一部分だけまっしろになりました。
サリーはとっても嬉しくなって、
夢中で首の回りに絵の具を塗りました。
全部塗り終わると、
全身がまっしろになったのですが、
なんだか首がベトベトするのです。
そこでサリーは、ママのお化粧箱の中から、
ママがいつも使っているおしろいをもってきて、
ぱたぱたと首のまわりにはたきました。
首がサラサラになりました。
鏡の中には白ウサギのサリーがいました。
鏡をみながらサリーはつぶやきました。
「これでもう、誰もサリーのことダメな子だなんて、思わないわ」
 そして迎えた入学式の朝、ママがびっくりしていいました。
「まぁ、サリー。その首は一体どうしたの?まっしろじゃないの!」
サリーは誇らしげに答えました。
「そうよ、ママ。今日から私、こうして学校に通うわ。これでお友達だって、たくさんできるんだから。」
ママとパパは、顔を見合せて、少し悲しそうな顔をしました。

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