2014年7月10日木曜日

ありのままのあなたで⑫

ピョンは、
まっすぐにサリーの目をみて、
すこしだけ大きな声でいいました。
「私はそのままの、サリーのほうが素敵だと思うわ。」
サリーはびっくりしました。
この黒い首を素敵だと言ってくれる子がいるなんて。
そしてサリーは思い出しました。
鏡の前で泣き疲れて眠ってしまったあの日、
眠り行くなかで、
ママがささやいていたあの言葉を。
「かわいいサリー、あなたはそのままでいいのよ。」
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ピョンはつづけて言いました。
「私は自分の体が黒いこと、
とっても誇りに思っているわ。
人がなんと言ってもね。
とってもツヤツヤなのがわかるし、
目だってぱっちりみえるでしょう。
それにね、
私の友達は、
みんな私の心が大好きだって言ってくれるわ。
私のまわりには、
私の体のことで意地悪をいう人なんていないの。
それってとっても幸せなことだと思っているわ。」
サリーはピョンを素敵だなぁと思いました。
そして言いました。
「ピョン、私と友達になってくれる?」

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